ビザ面接レポ

 

前回の記事では「ビザとは入国に必要な証書である」「ビザ取得手続きについてはアメリカ大使館の公式ビデオを見ればだいたい分かる」という2点しか説明できなかったが、今回はビザ面接の様子について詳しく述べる。長いけどちゃんとした記事になってます。

 

1. 持ち物

 

以下がビザ面接の際持って行った書類リスト。詳しくは米国ビザ申請のページ(http://www.ustraveldocs.com/jp_jp/jp-niv-typefandm.asp#applicationitems

に書いてある。

 

必須の書類:

パスポート(新しいのも古いのも)

DS-160フォーム確認ページのコピー

証明写真 5cm×5cm

面接予約確認書

I-20

I-901 SEVIS費確認書

補足書類:

大学院合格通知

奨学金合格通知

親の口座の残高証明

自分の口座の残高証明

戸籍全部事項証明書とその英訳

 

DS-160とはビザ申請の際に書かされる長ーいオンラインフォームのこと。I-20は入学・在学証明書。SEVISとはアメリカにいる留学生を把握するためのシステムのことで、学生ビザ申請者は必ずSEVISに関する費用(160ドル)を支払う。その支払い確認書がI-901。

 

補足書類はビザ審査がより通りやすくなるように持って行くもので、アメリカ大使館から具体的に何を持ってこいとは言われない。例えば「本国に財務的、社会的、家族的な強いつながりがあり、米国での留学プログラムの終了後に確実に帰国することを示す書類」を持って行けばいいらしい。なんだそれ。

 

補足書類の要件を文字通りに読むと謎だが、基本的にビザ申請では不法滞在や違法就労のリスクがないかを見ているようなので、そういったリスクを否定するような状況証拠を持って行けば良いのだと私は解釈した。

 

よって、まず留学に必要なお金をちゃんと持っている、もしくはそれらのお金を払ってくれるスポンサーがいるという証明が必要だ。私の場合、スポンサーは大学院または奨学金の出資者なので、大学院合格通知と奨学金合格通知を持って行く。これだけでも十分そうだが、念のため親と自分の口座の残高証明も用意した。親子関係を証明するために戸籍も提出した。これで「財務的、社会的、家族的な強いつながり」も示したことになるだろう。

 

原則としてビザの書類は英文かつ原本であることが要請される。戸籍謄本のような日本語でしか発行されない書類はその原本とともに簡単な英訳が必要となる。戸籍の英訳に関してはインターネットの海にサンプルがたくさん漂っているので自分でできる。実は親の源泉徴収票も用意したのだが、こちらは英訳が難しかったので結局持って行かなかった。

 

2. 大使館へのアクセス

 

アメリカビザの面接は東京、大阪、那覇、福岡、札幌の5ヵ所で受けられる。私は東京のアメリカ大使館で面接を受けた。

 

東京のアメリカ大使館は溜池山王が最寄り。11番出口付近にコインロッカーがあるので大きな荷物はここに置いていく。アメリカ大使館はセキュリティが厳しく、携帯電話1つ、書類の入ったA4クリアファイル、25cm×25cm以下の手持ちのバッグしか持って入れないことに注意する。25cm×25cmがどれくらい小さいかというと、A4クリアファイルが入りきらないほど小さい。

 

14番出口を出てエスカレーターで上っていくとすぐ右手にアメリカ大使館がある。警備の厚さですぐ分かると思う。「これがアメリカ大使館…?」という感じで近くをうろついただけで警備員に話しかけられて入口へ案内された。

 

3. 大使館内での流れ

 

面接予約時間は朝の8:45だったが、8:00過ぎには大使館に着いてしまった。しかし、これくらい早く来ても全く問題なかった。

 

大使館の入り口についたら早速セキュリティチェックがある。先ほど手荷物は25cm×25cmのものに限定されていると言ったが、実際のところはそれより大きな荷物でも手提げのバッグだったらスルーされていた。リュックは流石にダメだと思うけど。

 

セキュリティを通過したら面接予約確認書をチェックされて建物の中へ入る。持ってきた書類を窓口に提出したら、椅子に座って呼ばれるのを待つ。

 

ここからが長いと聞いていたのだが、朝の早い時間だとほとんど待ち時間がない。8:30くらいから人が呼ばれ始め、私もすぐに呼ばれた。面接予約時間ではなくて来た順に呼んでいる気がする…。

 

さて、いよいよドキドキのビザ面接だが、拍子抜けするほど簡単だった。聞かれたのは「何を勉強するのか」「お金は誰が出すのか」「何年行くか」だけだったと思う。「思う」とつけたのは、最初のカタコト日本語質問がどうしても聞き取れなかったからだ。いや、カタコトと言うと語弊がある。面接官の日本語は上手だったのだが、こちらの日本語聴き取り能力が低すぎた。あまりに要領を得ない応答をしたせいで、面接官から「日本語分かりますか?」と怪訝な顔で聞かれてしまった。日本語分かります。

 

こういう空港の入国審査なみの質疑応答の後、「あなたのビザは許可されました」とぶっきらぼうに言われて終わり。ちなみに、念のためと言って持ってきた残高証明や戸籍情報はチラ見もされていなかった。Ph.D.留学の人間は自分でお金を払うわけでもないし、大学という強力な後ろ盾があるからビザ申請は簡単なのかな?「留学が終わったらどうしますか」という危険な質問もされなかった(ここでうっかり「できればアメリカに残って就職したくて~」などと言うとビザが却下されるらしい)。

 

結局ビザ面接が終わったのは面接予定時間の8:45より前だった。

 

4. ビザの郵送

 

こうしてビザが許可されると、4日から1週間でパスポートにビザが貼られて送られてくる。自分は面接から6日後に届いた。内容に相違なければビザ手続きは終了!お疲れ様でした。