高額な支払いは慎重に

 

前々回前回に続き、ろくでもない渡航直後の話。

 

3日目(5/25)

 

残るタスクは夏学期の授業登録とその授業料の支払いのみ。しかし締切は今日。

 

私が夏学期にとろうと思っているのはいわゆるESL(English as a Second Language)とよばれる授業で、今年はAcademic Writingを扱うらしい。昨日14:00に受けた作文のテストではその授業をとる実力があるかを判断してもらった。実力不足と判定されれば、夏学期の話は白紙に戻るが果たして。

 

…とこんな感じで身構えていたが、あっさりOKが出た。

 

本来はこの授業は学部生向けのものだったので、ちょっと特別な許可をもらう必要があったが、そのやりとりは全てメールで済ますことができたので助かった。日本にいると13時間ないし14時間の時差が発生してしまい、数回メールを往復させることさえ平気で1週間かかるが、アメリカだと当然それが無い。初めてアメリカに来て良かったと思えた瞬間だ。

 

とんとん拍子で話は進み、10:00の段階であとは授業料を支払うだけという状態になった。しかしここからが長かった。もはや教訓すら得られないような馬鹿馬鹿しさだが、まあブログには書いてもいいだろう。

 

まず支払金額としてパソコン上に表示されているものが自分の想定よりも妙に高く見えた。その値段、実に4X000ドルである(今後Xには適当な自然数が入る)。事前の調べでは1つの授業につき1X00ドルだったはず。支払いがギリギリなので若干の手数料をとられるとはいえ、これは明らかに高すぎる。

 

そこで思いついたのが、Ph.D.課程1年分の授業料がすでに含まれてしまっている可能性だった。詳しい値段はよく覚えていないが1年で3X000ドルだったはずなので、1年の授業料がいっぺんに請求されてしまっていると考えれば納得がいく。

 

すぐRegistrar Officeにメールをして、どうすれば夏学期の分だけ支払えるのかを尋ねたのだが、自分の英語が下手なせいかどうも話がかみあわない。あっという間に午後2時になってしまったので、意を決して電話することにした。しかし自分のスピーキングはライティングよりさらに悲惨なのでやはり話はかみ合わない。埒があかず「直接そちらのオフィスを訪ねてもよいか?」と聞くと、「Memorial Holidayなので午後3時にはオフィスは閉まるよ」と言われてしまった。エーッ!

 

(※ちなみにMemorial Holidayを日本語に訳すと戦没将兵追悼記念日となるようだ。祝日自体は5/28(月)なのに、5/25(金)から変則的なスケジュールが始まっているらしい。プレミアムフライデー的な?)

 

授業料の支払いの詳細はCashier Officeに電話してちょうだいと言われたので、言われた番号へかける。そして今のピンチな状況をなんとか説明しようとした。伝わったのか伝わってないのかは分からないが、電話の相手は授業登録情報をチェックし始めた。でもやっぱり電話越しでは単語レベルでしか聞き取れず内心ヤバいと焦っていると、

 

「... 4 credit, ... 4 thousand …, right?」

 

という声が聞こえてきた。あれ?画面上に表示されていた額は40 thousandだったはずでは?ちょっと待て、事前に調べた限りでは授業料の金額は1 thousandのはずで、4 thousandといえばそれの4倍……。ああ!!

 

つまりこうだ。自分は2つの間違いをおかしていた。1つ目。そもそも画面上に表示された金額は4X000ドルではなく4X00ドルだった。0を1つ多く読んでいたのだ。2つ目。授業料は1つの授業につき1X00ドルではなく、1 creditにつき1X00ドルだったのだ!そして自分が受けたい授業は4 creditの授業だったので、授業料は4X00ドルという計算になるわけだ。creditという概念を知らなかったゆえのミス。

 

こういったことが一瞬で頭の中をかけぬけて、電話しているのにもかかわらず呆然となってしまった。そして「Memorial Holidayなので午後3時にはオフィスは閉まります。来週の火曜日に相談しに来てください」と言われて電話は切れた。

 

ここ数日間、自らの怠慢が災いして多くのトラブルが発生してきたが、それらはもともとあった問題を後回しにしたツケが回ってきた結果だった。つまりいつかは解決しないといけない話だった。一方今回は最初から最後までそもそも問題など存在しなかったのにも関わらず、自分の勘違いで問題を新たに作り出してしまったのだ。かなり落ち込む。

 

冷静になってみれば、授業料が想定の4倍になったとしてもなんら問題ない。これらは全て奨学金により補填できるお金なので、いったん4X00ドルさえ払えればOKだ。4万ドルは無理だが、4千ドルなら大丈夫だ。

 

というわけで何事もなかったかのようにオンラインで支払いを済ませ、全てのタスクは終了した。本当に無駄な1日だった。

 

言い訳に続く