Essay Writingの技術:IntroductionとConclusion

 

Thesis StatementとTopic Sentencesの作り方Body Paragraphの書き方にひきつづき、自分の受けたEssay Writingの授業のまとめ。このシリーズは今回で終わり。

 

 

3. Introduction

 

Introductionの役割とはずばり読者をThesis Statementへと誘導することである。このことを踏まえたうえでIntroductionは

 

・Hook

・Summary (※)

・Thesis Statement

 

という3つの層に分けることができる。

 

Hookとは、要するにとっかかりとなる文章のこと。エッセイには中心となる問い(例えば「科学技術は人間の尊厳を高めているか?」など)があるはずだが、それを冒頭でいきなり述べてしまうのはあまりに唐突だ。たとえ今書いているエッセイが教員にしか読まれないとしても、書くときの心構えとしてはなるべく広い読者層を獲得しようと思うのが妥当だろう。そうなると、想定される読者はエッセイにおける中心となる問いに必ずしも興味があるとは限らないわけだから、書き手の方でその問いに誘導してやる必要がある。この誘導のための文章がHookである。

 

Summaryは、自分の受けた授業特有のルールから生じる箇所であるため(※)という記号を付けた。授業の2つのメインルールは

 

・エッセイはIntroduction, 3つのBody Paragraph, そしてConclusionにより構成すること

 

・各Body Paragraphでは(授業で読んだ)2つの記事からの引用を含むこと

 

というものだったから、Body Paragraphで引用記事をベースとした議論をする前に、Introductionで記事自体についての説明をしておく必要がある。具体的には「文献のタイトル」「筆者」「筆者の主張」「議論の背景にある事柄」などを述べておくべきだろう。つまりここでのSummaryとは引用記事の要約を指している。

 

Thesis Statementを述べるのはこのようなHook, Summaryを経た後だ。Body ParagraphでTopic Sentenceを最初に持ってきたのとは対照的であることに注意する。

 

これらの各層、すなわちHook、Summary、そしてThesis Statementをどうスムーズにつなげるかが問題だが、実はそれほど難しいことではない。例えば、次の状況を考えてみる。

 

テーマ:科学技術と人間の尊厳

文献A:科学の力を濫用する人間たちについて述べている。

文献B:人間の尊厳の定義について論じている。

Thesis Statementの方向性:科学の負の側面は人間の尊厳を損ねている。

 

さて上にあげた各要素をうまく結びつけることができるだろうか?まあできそうではある。ただ、エッセイの書き手自身なら「絶対に」できるはずだ。なぜならこれらを結びつける作業はBody Paragraphを書く時点で既にしているからだ!つまりIntroductionを書く作業で本当に新しく考えなくてはならない箇所はせいぜいHookをどうするかという所だけだ。

 

例えば今回の場合だと、Introductionのプロットとしては

 

[Hook] 近年の科学の発展には目を見張るものがある。例えばスマートフォン、あるいは医療。もはや我々はこれらの技術なしでは生きていけないが、それらを悪用する人間がいるのも事実である。[Summary 1] Xは文献Aでそんな彼らの自分勝手な主張の数々を挙げている。彼らの行動が批判されるべき理由はそれが他の人間の尊厳を脅かすものだからである。[Summary 2] 一般に人間の尊厳を定義するのは難しいが、Yは文献Bで人間の尊厳を誰もがもつ絶対不可侵の領域と定義している。この定義によれば、科学の負の側面は、例えそれが大多数の人間にとっては関係のないものだったとしても、まったく看過できないものである。[以下Thesis Statement]

 

というようなものを考えることができる。とはいえこれは自分が今作ったあまりに凡庸なプロットなので実際にはもう少し改良が必要だと思うが。実際にBody Paragraphを書いている人間ならばこれくらいのことは書ける。

 

Introductionの構造は漏斗に例えることができる。Hookでは非常に一般的な見解から書き始めるものの、Summaryを通じてどんどん主張を狭めていき、最後に具体的でユニークなThesis Statementへとたどり着く。

 

ここまで説明すれば、引用文献の説明を必要としないエッセイのIntroductionも全く同様に構成できると分かるだろう。Body Paragraphを書くときに意識したような流れを思い出しつつ、HookからThesis Statementまで読者をうまく誘導すればよい。Summaryという要素は失われるが漏斗のイメージは崩れない。

 

 

4. Conclusion

 

ConclusionはSummaryとImplicationという2つの要素からなっている。

 

ここでいうSummaryとは今までBody Paragraphsで行ってきた議論の要約を指している。エッセイの核、つまりThesis StatementとTopic Sentencesさえはっきりしていれば的を外した要約をすることはないだろう。一方でパラフレーズというのは非常に難しい作業でもある。要約というより単なる繰り返しになってしまうこともしばしばだが、それはエッセイライティングの技術の低さというより運用語彙や使える構文の乏しさに起因する。

 

Conclusionの主な構成要素がSummaryなのは確かだが、それだけだとあまり良い読後感は抱けない。読者に良いエッセイだったと思わせるためにもImplication、つまりThesis Statementから示唆される物事についても触れられると望ましい。Introductionでは一般的な見解から始めてThesis Statementに落とし込んだが、Conclusionでは逆にThesis Statementから始めてより一般的な見解で終わる。Implicationに関してはセミナーや講演の最後に述べられる「それっぽい良い感じのこと」をイメージすれば当たらずも遠からずという気がする。ちなみに自分はHookとImplicationがおおよそ対応するように書いていた。例えばHookで「科学技術の発展には目を見張るものがある」などと書き始めれば、Implicationでも同程度のアバウトさ、例えば「科学技術の裏には犠牲がついて回るのだ」のように書いていた。ただあくまでもこれは個人的なノウハウ。

 

それにしても先から出している例は本当につまらないエッセイになりそうだな…。

 

 

5. 語彙

 

最後に少しだけ、エッセイに用いる語彙に関しても言及しておこう。特定の語彙の使用には若干の縛りがあって、例えば I や We の使用は厳しく制限される。Thesis Statementで ”I claim that ~” と書くのは最悪だ。客観的な主張を求められている以上、I claim that という前置きは不要というのがその理由だ。もちろん個人的体験を書く際には I を使わなくてはいけないので、禁止ワードという訳ではないのだが。別の例をあげると、読者に質問を投げかける際に "Do you ~?" と言うのもあまり良くないらしい。人称代名詞を使う際は注意が必要だ。

 

徹底してフォーマルな文章を要求されているので、don’t などの略記も許されず do not としなくてはいけない。wipe out などの句動詞は避け、eliminateなどの動詞に置き換えるべきである。このような文章のフォーマルさを高めるためのルールが色々とあるようだが、英語初心者の自分がこれ以上のことを正確に説明できるとは思えない。とりあえず参考になりそうなリンクを紹介するにとどめておく:

https://www2.ivcc.edu/rambo/tip_formal_writing_voice.htm

http://www.nus.edu.sg/celc/research/books/cwtuc/chapter03.pdf

どちらも "essay writing formal language" とググって出てきたページ。

 

 

以上、Essay Writingの技術について述べてきたが、結局重要なポイントは

 

・Introductionの最後にThesis Statementがくる

・Body Paragraphの最初にTopic Sentenceがくる

・Transitionを意識する

 

の3つだろうと思っている。これらの3つのポイントを死守してエッセイを書こうとすると、どうしても授業で指示されたようなフォーマットに落ち着いてしまうのではないか。

 

 

今回Essay Writingの授業を受けるまで、作文のルールがこんなにも明文化されているとは思わなかった。しかもTOEFLの参考書に書かれているようなテクニックよりも遥かに具体的かつ実践的で、そして何より自らのアイデアをより明確にしてくれるという点で効果的だった。このフォーマットにおいてはどっちつかずの主張をするのはかなり困難で、推敲するたびに自分の主張が洗練されていくのを感じて面白かった。昔からいつも作文の宿題では何をどう書けばいいのか分からず泣かされており、そのたびに「センスが無い」「経験が足りない」と感じさせられていたが、今ではセンスが無かったのではなく技術が無かったのだと言える。これからのWritingの練習では経験不足を解消することに集中できるだろう。